中北 紘子
兵庫県生まれ。2006年 東京藝術大学大学院美術研究科 絵画科油画専攻修士課程修了後、本格的に創作活動を始める。神戸と米国カリフォルニアのアトリエを拠点に制作を続け、国内外で発表。2021年に自身のギャラリー"Hiroko Nakakita"を神戸旧居留地にオープン。2022年 資生堂のプレステージスキンケアブランド「THE GINZA」とのコラボアートを展開し企業との活動や大型マンション、コミッションワーク等制作活動中。
近年の個展に「Pure Radiancy」(2023年 ロンドン/TASAKI NEW BOND ST.店)「Spring Dreams」(2023年 東京/TASAKI銀座本店)「lullaby」(2021年 東京/表参道/TIRES GALLERY by arakawagrip)「Hiroko NAKAKITA」(同年 NY/Mizuma & Kips)「Hiroko Nakakita」(2020年 東京/新生堂ギャラリー)「Objectively」(2019年 兵庫県/GALERIE ASHIYA SCHULE)「Blooming」(2018年 ニューヨーク/GALLERY MAX)「Flowery colors」(同年 阪急うめだ本店美術画廊)など。その他「数寄景・NEW VIEW 日本を継ぐ、現代アートのいま」(2019年 阪急うめだ本店)「華美」(同年 GINZA SIX)「リバーアートフェア 2018」(2018年 米マイアミ)「アートフェア京都」(2013年 京都)など国内外のグループ展やアートフェアにも多数出展。六本木ヒルズクラブ、SHISEIDO THE STORE /東京、Castle Hotel & Spa /NY などが作品を所蔵。
人は日々の生活の中で、常に答えを探し求めます。どのように振る舞えば他者とうまく共存できるか、行動の辻褄を合わせることに苦心します。その様な人間のあり方を俯瞰している存在としてのシャンデリアや、短命でありながら濃密に生命をうたい上げ、一生を儚くも咲き誇る花に憧れを持ち、私はこれまで描いて参りました。
人は、感情を持つ生物であるからこそ、花の様に奔放には生きられません。しかし、感情が極限まで高まったとき、深く息を吐いたり、涙や汗などの液体を発します。私にとって絵の具の垂れは、身体の奥深くから生じてくるものです。思いがけない垂れに身を委ね、その都度の予期せぬ出会いを受け容れながらも色を置くことで、魂を持った唯一の作品が生まれてきます。
溢れ出る感情と祈るような静寂を行き来しながら、私は感情を色へと置き換えています。色彩によって無作為と作為を調和させ、ひとつの幻想の世界へと昇華することで、本当の美しさが現れると私は思い、日々描いています。